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46 由良のとを 渡る舟人 かぢをたえ 行くへも知らぬ 恋の道かな 曽禰好忠(そねのよしただ)の歌と文と翻案(今橋愛)

46 由良のとを 渡る舟人 かぢをたえ 行くへも知らぬ 恋の道かな 曽禰好忠(そねのよしただ)歌意 由良の瀬戸を漕ぎ渡っていく舟人が、かじがなくて行く先もわからず漂うように、これからの行く末のわからない恋のなりゆきだなあ。      所載歌集「新古今集」恋一かじが波にとられて、かじどころか乗っている小舟も流されて行きたかった方向も、ここがどこなのかも分からなくなってしまったら。ほんとうに心細くてこ...

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十八番住の江の岸による波よるさへや夢の通ひ路人めよくらむ 藤原敏行朝臣(としゆきあそん)の文(花山周子)

十八番 住の江の岸による波よるさへや夢の通ひ路人めよくらむ 藤原敏行朝臣(ふじわらのとしゆきあそん)歌意 住の江の岸に寄る波のよるではないが、夜でも夢の通い路を通って逢えないのは、あの人が夢の中でも人目を避けているからであろう。 所載歌集「古今集」恋二 原色小倉百人一首(文英堂)より 「住の江の岸による波」は「よるさへや」を導き出す序詞となっているが、初句に置かれたこの「住の江」という固有名詞は、...

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24番 このたびは ぬさもとりあへず 手向山(たむけやま)紅葉の錦 神のまにまに 菅家の文(今橋愛)

24番 このたびは ぬさもとりあへず 手向山(たむけやま)紅葉の錦 神のまにまに   菅家 歌意 この度の旅は、幣を捧げることもできない。さしあたって手向けの山の紅葉を幣として捧げるので、神のお心のままにお受けとりください。        所載歌集「古今集」羇旅(きりょ) 菅家、というのが菅原道真(すがわらのみちざね)と知らなかった。かんけ。羇旅(きりょ)は旅のこと。とんこつラーメン。太宰府天満宮。...

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15番光孝天皇の 君がため春の野に出でて若菜摘むわが衣手に雪は降りつつ(光孝天皇)と文(花山周子)

「主婦と兼業」(※)を更新します。花山周子さんがお書きになった15番光孝天皇の 君がため春の野に出でて若菜摘むわが衣手に雪は降りつつ の鑑賞と翻案です。十五番君がため春の野に出でて若菜摘むわが衣手に雪は降りつつ 光孝天皇歌意 あなたのために、春の野に出かけていって、若菜を摘んでいる私の袖に、雪が次から次へと降りかかってくるのだ。              ...

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23番 月みれば ちぢにものこそ 悲しけれ わが身一つの 秋にはあらねど 大江千里(おおえのちさと)の文(今橋)

23番月みれば ちぢにものこそ 悲しけれ わが身一つの 秋にはあらねど 大江千里(おおえのちさと)歌意 月を見ると、あれこれ際限なく物事が悲しく思われるなあ。私一人だけの秋ではないけれども。                      所載歌集「古今集」秋上 原色小倉百人一首(文英堂)より 夏の空気に慣れきっていた身体に、いちばん最初にふれてくる あの風、が 皮ふにあたったら。わたしは こころがちかち...

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