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天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも(安倍仲麻呂) (花山周子)

おはようございます。
花山周子さんのお書きになった 7番安倍仲麿(あべのなかまろ)の歌です。
『さて、私が人生でふりさけ見る場所があるとすれば、』とあって、びっくりした。何という直球!(今橋)

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天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも    安倍仲麻呂

歌意 大空をふり仰いではるか遠くを眺めると、
今見ている月は、かつて奈良の春日にある三笠山の上に出ていた月と同じ月なのだなあ。

                                 所載歌集 『古今集』  
                                          原色小倉百人一首(文英堂)より


「天の原」は空のこと。
「春日なる三笠の山」は奈良公園のあたりにある名所の山で、
当時の都人にとっては、ふるさとの山であった。
奈良時代、遣唐留学生として唐の国で三十年余りを過ごした安倍仲麻呂が、
ようやくの帰国に際し宴で詠んだとされる歌である。
まず、「ふりさけ見れば」が私は好きなのだ。
いざ、帰ろうと空を振り仰ぎ、故国、春日なる三笠の山、に出ていた月を思う。
「ふりさけみれば」「春日なる」「出でし」「月かも」と、一語一語に力が入っている。
こういう歌を格調高いというのかもしれないが、
「ふりさけ見れば」は力あまって、首が一回転しそうな勢いである。
こののち彼は帰国の船に乗り込んだわけであるが、
その船は暴風雨に遭い、唐に引き返すこととなった。
彼は唐で一生を終えたのである。
さて、私が人生でふりさけ見る場所があるとすれば、娘が生まれた日だ。
ちょうど二月のことでした。


生みし日をふりさけ見ればきさらぎの冷たき風が鼻づらを刺す  花山周子


※「主婦と兼業」は花山周子と今橋愛のごくささやかな勉強の場ですが、この場を通して、いずれ新たな創作へ繋げていけたらと思っています。いいねやご感想などいただいて、とても励みになっています。どうぞよろしくお願いします。 
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