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花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに(花山周子)


今回は、花山周子さんのお書きになった
9番小野小町の花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに。
あまりにも有名なこの歌を、好みじゃないと、さらっと言ってしまう花山さんは 
絶世の美女 小町からも自由だね。と思ったことだよ。(今橋)

花山周子
九番 花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに 小野小町   所載歌集『古今集』春下

歌意 桜の花はむなしく色あせてしまった。
春の長雨が降っていた間に。─私の容姿もすっかり衰えてしまった。生きていることのもの思いをしていた間に。
                                                          『原色小倉百人一首』文英堂より
       
「うつりにけりな」って、なんか、かわいらしい。
首をちょっとかしげるような、乙女の仕草。急にここから歌は転調する。
「いたづらに」、厳しい調子だ。
「わが身世にふる」厳(いか)めしい。
そして、加速する。「ながめせしまに」。
花の色の移ろいをきれいだなあ、なんてのんきにながめていたら、
自分はすっかりおばあさんになっていた。
ながめせしまに・・・ながめせしまに・・・ながめせしまに・・・が反響する。
すごいなあ、たった一首のなかでまるで玉手箱を空けてしまったみたいに長い長い時間をワープしてしまう。
ちなみに「ながめ」は「長雨」の掛詞でもある。うまい。
けれど、なぜだろう。私はどうも最終的には小野小町の歌が性に合わない。好みじゃないんだなあ。


風草をつかみにけりないたづらにわが子世に生(お)う草を抜きゆく    花山 周子

※「主婦と兼業」は花山周子と今橋愛のごくささやかな勉強の場ですが、ここからいずれ新たな創作へ繋げていけたらと思っています。いいねやご感想などいただいて、とてもうれしく、励みになっています。どうぞよろしくお願いします。
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