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15番光孝天皇の 君がため春の野に出でて若菜摘むわが衣手に雪は降りつつ(光孝天皇)と文(花山周子)

「主婦と兼業」(※)を更新します。
花山周子さんがお書きになった
15番光孝天皇の 君がため春の野に出でて若菜摘むわが衣手に雪は降りつつ の鑑賞と翻案です。


十五番
君がため春の野に出でて若菜摘むわが衣手に雪は降りつつ 光孝天皇

歌意 あなたのために、春の野に出かけていって、若菜を摘んでいる私の袖に、雪が次から次へと降りかかってくるのだ。
             
所載歌集『古今集』春上  原色小倉百人一首(文英堂)より


前回の「筑波嶺の峰より落つるみなの川恋ぞ積もりて淵となりぬる」の歌と比べてなんて気持ちのよい歌なんだろう。
趣向が珍しいわけでも使われている語彙が珍しいわけでもないのに。
本当にこの人が若菜を摘んだかどうかは問題ではない。
というか、わざわざ雪降る中を出てきて若菜を摘むというのはふつうならわざとらしくもある。
だけど、私はこの人は本当に雪の降る中で若菜を摘んだじゃないかと思っている。
若菜を贈る相手への思いと同じくらいに、春先の冷たい雪を、そこに生えた若菜を彼は愛している。
わざわざ出ていって、しゃがんで、自分の袖を雪に濡らしながら、彼は若菜を摘んだのである。
その繊細な愛情がこの歌を美しくしている。

摘めばすぐに花首とれるイヌフグリときかけて来し春の風なか  花山周子

※「主婦と兼業」は花山周子と今橋愛のごくささやかな勉強の場ですが、
ここから いずれ新たな創作へ繋げていけたらと思っています。
いいねやご感想などいただいて、いつもうれしく励みになっています。どうぞよろしくお願いします。
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